はじめに知っておいてほしいこと
契約する時期や地域によって仕様が異なる場合があります。私たちの場合は次の通りです。
- 2022年2月契約
- 関東地方
最終的には担当の営業さんに確認してみてくださいね!
また、今回のテーマは工法も関係します。断熱材が構造に関わるからです。私たちはウッドパネル工法を採用しています。したがって、この工法における仕様を今回ご紹介します。他の工法だと仕様が異なるかもしれません。あらかじめご了承ください。
住友不動産の断熱材の標準仕様
断熱材の基本的な考え方はどこに・何が・どのくらい使われているかです。
断熱材はどこに使われているか
第一に「どこに」という観点で解説します。
私たちの場合、仕様書におこされている断熱材が入れられている箇所は次の通りでした。
- 外壁
- 小屋裏に面する壁
- 階間
- 屋根直下天井
- 勾配天井
- 1階床下
- 外気に面する床
- ルーフバルコニー直下の天井
- 土間床周囲
- 外壁パワーパネル部
一読してイメージするのが難しいと思われる項目について補足します。
まずは「外気に面する床」についてです。
具体例をあげると理解が進むと思われます。たとえば玄関ポーチ・オーバーハング・ビルトインガレージなどの床部分が該当します。
次は「土間床周囲」についてです。
玄関・勝手口は該当しないので注意です。これら以外の土間なのでけっこう限られます。
最後は「外壁パワーパネル部」についてです。
パワーパネルは住友不動産の特徴の一つである高倍率耐力壁です。詳しくは以下をご覧ください。
断熱材は何が使われているか
第二に「何が」という観点で解説します。
私たちの場合、仕様書におこされている断熱材の種類は次の通りでした。
- 高性能グラスウール
- 住宅用グラスウール
- A種押出法ポリスチレンフォーム断熱材3種b
グラスウールはガラスを原料にした断熱材です。複雑に絡み合った細かいガラス繊維の間に無数の空気を閉じ込めた部屋を形成することで断熱性を実現します。
住宅用グラスウールと高性能グラスウールの違いは遷移の太さにあります。住宅用グラスウールのガラス繊維の太さは7〜8マイクロメートルです。一方で、高性能グラスウールのガラス繊維の太さは4〜5マイクロメートルです。ガラス繊維が細いほど繊維の数が多くなります。そして、繊維の数が多いほど空気室の数も多くなります。空気室の数が多いほど断熱性能が高くなるというわけです。
ポリスチレンフォームは発泡プラスチック製の断熱材です。A種や3種bなど難しそうなワードが並んでいて後退りしたくなりますね。こちらについてはJIS規格(JISA9521)にわかりやすくまとめられています。それが以下です。
断熱材が入れられている箇所とそれぞれに使われている断熱材を整理したのが次の表です。
部位 | 断熱材 |
---|---|
外壁 | 高性能グラスウール |
小屋裏に面する壁 | 高性能グラスウール |
階間 | 高性能グラスウール |
屋根直下天井 | 高性能グラスウール |
勾配天井 | 高性能グラスウール |
1階床下 | 住宅用グラスウール |
外気に面する床 | 高性能グラスウール |
ルーフバルコニー直下の天井 | 高性能グラスウール |
土間床周囲 | A種押出法ポリスチレンフォーム断熱材3種b |
外壁パワーパネル部 | 住宅用グラスウール |
「高性能グラスウール」と「住宅用グラスウール」は表記上紛らわしいので注意してください。
断熱材はどのくらい使われているか
第三に「どのくらい」という観点で解説します。
私たちの場合、仕様書には「密度(単位:K)」と「厚さ(単位:mm)」が記載されていました。厚さはともかく、密度は専門用語なので数値の意味を解説します。
Kは1㎥の体積中に使われている断熱材の質量を示しています。たとえば、16Kの断熱材を1㎥分集めたら16kgになります。24Kなら24kgです。この数値が大きいほど断熱材がたくさん使われています。したがって、密度が高いほど断熱性能に優れているというわけです。言うまでもないことかもしれませんが、厚さの数値も大きければ大きいほど断熱性能に優れています。
先ほどの表に密度と厚さを記入したのが以下です。比較しやすいように、一緒に熱貫流率も載せておきます。熱貫流率も断熱性能を表す指標です。数値が小さいほど断熱性能に優れています。
部位 | 断熱材 | 密度(K) | 厚さ | 熱貫流率(W/㎡・K) |
---|---|---|---|---|
外壁 | 高性能グラスウール | 24 | 105mm | 0.33 |
小屋裏に面する壁 | 高性能グラスウール | 24 | 105mm | 0.33 |
階間 | 高性能グラスウール | 16 | 100mm | 0.38 |
屋根直下天井 | 高性能グラスウール | 24 | 105mm × 3 | 0.11 |
勾配天井 | 高性能グラスウール | 24 | 105mm × 3 | 0.11 |
1階床下 | 住宅用グラスウール | 32 | 80mm | 0.45 |
外気に面する床 | 高性能グラスウール | 24 | 105mm × 2 | 0.16 |
ルーフバルコニー直下の天井 | 高性能グラスウール | 24 | 105mm × 2 | 0.16 |
土間床周囲 | A種押出法ポリスチレンフォーム断熱材3種b | – | 50mm 20mm(室内側) | 0.56 1.40 |
外壁パワーパネル部 | 住宅用グラスウール | 32 | 80mm | 0.45 |
ポリスチレンフォームはグラスウールと違って繊維状ではありません。したがって、密度という概念がありません。「-」と表記しているのにはそういった理由があります。
今回の記事のまとめ
他社さんと比較して住友不動産の断熱材の標準仕様はやや良い方だと思います。
標準的とされる熱貫流率と比較したときの結果は次の通りです。
部位 | 標準的とされる熱貫流率(W/㎡・K) | 住友不動産の熱貫流率(W/㎡・K) |
---|---|---|
屋根 | 0.19 | 0.11 |
壁 | 0.36 | 0.33 |
床 | 0.46 | 0.45 |
ご覧の通りやや優れた数値を出しています。標準的とされる熱貫流率は以下動画を元に算出させていただきました。
家の断熱性能は断熱材だけで決まるわけではありません。しかし、断熱材が家の断熱性能に大きな影響を与えることは確かです。
あなたにとって少しでもいい家づくりに繋がったら嬉しいです。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。
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